黒色柳丁/Black Tangelin : David Tao :H.R.(*hyper recommend)#.1


David Tao
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H.R.(*hyper recommend)#.1でUPさせていただく音楽は“David Tao”

『黒色柳丁/Black Tangelin』 アルバムです。

“David Tao”は台湾人アーティストで現在、米国・L.A在住。
彼は、シンガーソングライターには違いないのですが…
もはやそんな次元では語れない程、その音楽的なフィールドは広大です。
これまでに、多種多様な人物のアルバムや楽曲を手掛けてきた天性のプロデューサー。


シンガーソングライターとしては、
自身の作曲、*作詞で、秀逸なスタジオ アルバムを四枚発表してきました。
(*作詞に関しては“相棒”が居ますが、彼もブレーンとして常に参加しております。)

プロデュースは勿論のこと…その他、細部に至るまでの監修をしている音楽職人。

『黒色柳丁/Black Tangelin』
そんな彼が2002年に発表した3rdアルバムにあたります。

米国在住の彼は『9・11』の悲劇を目の当りに。

長年、生活の基盤にしてきたアメリカが絶望と悲劇の色に染る中、
その心情に変化が起きないわけもなく……。


誤解を恐れずに書かせていただくと…

タオの中で“怒り”“悲しみ”“もどかしさ”などの『負』の感情が溢れ返り…
…暫くは“世の中”ヘの疑問ばかりではなく、自身が“音楽”をやる事の意味等など、
様々な心象に想いを巡らせたのではないでしょうか。
自身の戻る場所、やるべきことは“音楽”だと再確認したであろうタオの姿勢や熱意が
本作の“はしばし”から聞き手に伝わってきます。

前述した『負』の感情である“怒りや悲しみ”等の訴えたい感情を
押さえ込まずに創りあげられた渾身の本作。

と同時に、
このアルバムには、それら『負』の感情を包み込める程の“希望”も満ち溢れています。





アルバム表題曲、黒色柳丁/Black Tangerineでの幕開け。
イントロから既に釘付けだったこの曲。
しかし…“この曲の50秒目前後”を初めて耳にした時の感覚たるや…
まるで“全身の血が逆流”していくかのような、奇妙な興奮状態…。
その時「この感覚、覚えがあるな…」と、即座に思い出した曲が有ります。
一番“この時の感覚”に近い衝撃を受けた曲が“George Michael”
『Praying For Time』
1990年発表の『Listen Without Prejudice』に収められている、
黒色柳丁/Black Tangerineと同じくアルバムの幕開けを担う曲。

これは、あくまでも個人の受けた“印象や感覚”の対比なので…
音楽そのものや、アーティストを比べるつもりは毛頭ありません。

黒色柳丁/Black Tangerineは、「悪夢」を見ているのか?「現実」なのか?
…そんな“やるせない”想いを荒々しく刻んだ一曲。
“ブルージーなギターの音色”と“気だるいタオの語り”が途中から叫びに変わります。
前述した“50秒目前後”の変調、そして声の艶っぽさといったら…言葉になりません。
三曲目、Dear God
この曲の前に“タオ自身が編集したという、TVからの音源”が2分程流れます。
内容は…“言葉の壁”という情けない理由から…完全には把握しきれずにいます。
が、回数を重ねるごとに“ピント”が合ってきたと言いますか…、
“見えてきた”ような気がするので、…恥を承知で“憶測”で書かせていただきます。
(もしも、ご指摘が有りましたら…是非ともお知らせいただけたら、ありがたいです。)

ブックレットに“Edited in 4 days by DT”と記載されているところから、
集めたられた4日間のニュース音声を彼が編集したものと思われます。
チャンネルを矢継ぎ早に変える音や、子供の泣き声、物悲しい音声等…
これらの情報から“TVの音源”である事はわかります。

『9・11を目の当りにし、TVをオンにしたものの…
どこのチャンネルを回しても目に飛び込んでくるのは、悲しみと混乱の渦』


…こんなイメージが頭に浮かんだのです。
実際には、“何時”の“どんな内容”の音源を編集しているのでしょうか…。
頭では理解出来ないものの…“感覚的な理解”と言いますか、
一つだけ確かな事が有ります。

この音源から三曲目ヘの流れを耳にする度“自然と目頭が熱くなる”ということ。

そんなことから、タオ渾身のメッセージソングである“Dear God”“音源集”
これらが強く関連している気がしてなりません。
Dear Godは、“混乱”、“悲しみ”、“怒り”、“僅かな望み”等をストレートに
力強く訴えかけてくる、心動かさずにはいられない渾身の作品。

“時代や国を超えて、多くの人々の耳に届いて欲しい”そんな楽曲です。

四曲目:Angel、五曲目:討厭紅樓夢/Let's Fall In Love
Angelは今までの曲調から一転して“穏かな優しさに溢れた”曲。
しかし、この曲もまた、一曲目~三曲目までの一連のメッセージを有しています。
ここでは“不安”、“儚さ”等の感情をこの上なく甘い歌声でそっと囁きかけ、
聞き手、歌い手、両者が癒されるであろう仕上がりに。
“ようやく出てきた”といった感のあるナンバー、討厭紅樓夢/Let's Fall In Love
アルバム中“最もタオらしく”且つ“彼でなければ編み出せない独特の構成力”を持った一曲。
どういった曲調でも歌いこなす彼ですが、
この曲のようないわゆる“R&B”ナンバーでは、本領をフルに発揮している気がします。
一度聴いたら忘れられない“イントロ”、伸びやかで“艶やかな美声”
様々な“音”が行き交う複雑さながら、聞き手に一切“小難しさ”を感じさせる事無く、
流れるように仕上げているあたり、ポップスを熟知したベテランのなせる技ですね。
続いて、蝴蝶/Butterfly 宮保難丁/Kung Pao Chicken Melody
六曲目の蝴蝶/Butterfly は広大な空を思わせ、ゴスペルに通ずるものがある曲。
大きな暖かさが“音”に乗って伝わってきます。
宮保難丁/Kung Pao Chicken は自然と体が動き出す一曲。
タオの、今までとは違う一面が垣間見れる、“底抜けに明るいナンバー”です。
ハワイアン調のこの曲では、ギターは勿論のことベースも担当しています。
うまい具合にガス抜きした感のあるベースラインが効いています。
八曲目:Melodyは“過去への恋文”そんな意味合いを持った…非常にパーソナルなナンバー。
聞き手がその内容に踏み込むことは困難かもしれません…
しかし、その旋律の美しさには息を飲みます。
“後半にかけての盛り上がり”、“繊細な歌声”が本当に素晴らしい一曲。
続く九曲目は月亮代表誰的心/Moon Over My Heart
一作目から続いている“古き良き時代”ヘのオマージュ。
古くから伝わる楽曲を“モダンな解釈”で生まれ変わらせた、彼ならではの連作。
端正なイントロに心奪われ、全編に感じられる中華の息吹に酔いしれます。
「多くの方々の耳に届くと良いな」そう思わずにはいられない、豊かなシリーズ。
十曲目:二十二/22
個人的に…アルバム中一番好きな楽曲です。(全曲好きな事は言うまでもありませんが…)
スイングするアコースティックギターの先導で“癒し全開”に展開するミディアム曲。
…陳腐な表現になりますが…『気持ち良い!』…この一言に尽きます。
十一曲目はMy Anata
…タイトルをご覧になってお分かりの通り、“日本語”を取り入れた一曲です。
コミックソング的な仕上がりを計算しての?“日本語”だとは思いますが…
多少…日本人には奇妙に感じるかもしれません。
“カルチャー・クラブ”が「戦争、反対!」と“カタコト”で歌っていたように…
“日本語”をスパイスに使った楽曲は過去にも沢山ありますし、
ミュージシャンなら一度はやってみたい?“音楽遊び”の一環とも考えられます。
しかし、“遊び”では終わらせないところが“彼の歌声”の凄いところ。
コミカルで痛快な、味のあるロックナンバーです。
アルバムのラストを飾る楽曲搖籃曲/Lullaby
『子守唄』の名の通り、とても“心が休まる”包み込まれるようなナンバーです。
暖かで、緩やかに時が流れるかのような、ピアノの調べ。
“そこ”に乗るタオの歌声はあらゆる対象への“優しさ”に溢れています。
「タオの歌声からは、マイナスイオンが出ている」
…初めて“その歌声”を聴いた時から今まで、ずっと感じていた事です。

少し…大げさかもしれませんが…“大きな滝のそばにいるような”そんな気持ち良さを
“一声”聴いただけで感じるのです。
これは、彼の楽曲全般に言えるのですが、とりわけ“この曲”“二十二/22”を聴く度、
“声になったマイナスイオン”を浴びているかのような感覚に浸れます。

以上、決意と熱意がみなぎる全12曲。

更に、ボーナス・トラックとしてKatrinaが収録されています。
この曲は“DEMO”らしいのですが……
とても“デモ”とは思えないクオリティです。

“音楽職人ならでは”のジャッジで“デモ”にされてしまった“この曲”。
タオ自身の弾き語りで“英語詞”というあたりは、いかにも“デモ”らしいのですが、
楽曲事体は“どこに出してもおかしくない完成度”です。
切なくて甘い旋律、そして歌声がシンプルな弾き語りによって、一層際立っています。
トラック“22番目”に収録されているのも…個人的にはとても興味深い。

郷土愛を持ちながらも、非常にボーダーレスな才能を持ったコンポーザー

“David Tao”

彼の音楽に出会えた偶然(必然かもしれませんが…)に感謝せずにはいられません。
と同時に、少しでも多くの方に“この驚き”を味わっていただけたら…
そんな広がりも望みつつ……この辺で締めさせて頂きます。



See Ya!!
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by mihhoT | 2005-11-04 12:01 | *hyper recommend


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